トップ水の知識みんな知ってる?日本にも起こり得る水不足とその対策!

みんな知ってる?日本にも起こり得る水不足とその対策!

みんな知ってる?日本にも起こり得る水不足とその対策!

日本は降水量が多く、蛇口からは飲用可能な水が出るという恵まれた国です。
しかし、将来的な水不足が懸念されていることをご存じでしょうか。

宇宙から見る地球は青く輝いており、水が豊富にあるように思われがちですが、そのほとんどは海水です。
地球にある水のうち、淡水は2.5%程度で、生活に利用できる水はわずか0.01%しかありません。
多くの国が地球温暖化などさまざまな原因で水不足に苦しんでいますが、日本にとっても世界の水問題は対岸の火事ではないのです。

今回は日本で深刻化している水不足についてご紹介します。
私たちひとり一人ができる水不足対策を知り、水の大切さを見直してみませんか。

日本は水資源に恵まれている?豊富なのは降水量

日本交差点

日本は1年を通して降水量が多く、水が豊かな国といわれていますが、国土や人口で考えると、水資源が豊富な国とはいえないようです。

日本世界
平均降水量(年)約1,700㎜約970㎜
一人当たりの平均降水総量約5,100㎥/年・人約22,000㎥/年・人
一人当たりの平均水資源量約3,300㎥/年・人約7,000㎥/年・人
<日本と世界の降水量と水資源量の比較>

日本と世界の降水量と水資源量の比較

日本の年平均降水量 約1,700㎜
世界の年平均降水量 約970㎜
日本の一人当たりの平均降水総量 約5,100㎥/年・人
世界の一人当たりの平均降水総量 約22,000㎥/年・人
日本の一人当たりの平均水資源量 約3,300㎥/年・人
世界の一人当たりの平均水資源量 約7,000㎥/年・人

日本では1年間に世界平均のおよそ2倍もの雨が降ります。
しかし1人当たりで計算すると、世界平均の約1/4程度しかありません。

また、日本の1人当たりの水資源量を見ると、世界平均の半分程度です。

水資源量とは理論上の利用できる水の量で、正確には水資源賦存量(ふぞんりょう)といい、降雨量から蒸発量を引くことで算出されます。
特に関東地方の年間水資源量は約905㎥ときわめて少なく、モロッコやエジプトとほぼ同じ数値です。

日本は国土全体にほぼまんべんなく雨が降りますが、地域や季節により差があります。
降水量が多くても、1人当たりの降水量や実際に使える水の量は世界平均よりも少ないため、水資源が豊富な国とは言い切れないでしょう。

日本の水不足が深刻化している原因は?水の使い過ぎだけじゃない!

日本は雨が多いのにもかかわらず、なぜ実際に使える水が少なく、水不足が深刻化しているのでしょうか。
これには主に次のような原因があります。

  • 水の使用量の増加による水不足
  • 気候変動による水不足
  • 日本の地形による水不足

それぞれ詳しく見ていきましょう。

水の使用量の増加による水不足

コップと水

水不足が起こりうる原因のひとつは、水の使用量の増加です。

日本の水資源の用途は、「生活用水」「工業用水」「農業用水」に分けられます。
このうち工業用水と農業用水については、1980年以降大幅な変化はなく横ばい状態です。
これに対し生活用水は、ライフスタイルの変化や人口の増加に伴い、1965年から1985年の間に2倍に、2000年までの間に3倍以上に増えています。

2000年前後にピークを迎えた生活用水の量は、それ以降はやや減少傾向にあるようです。
増加ではなく減少気味である要因には、大規模な自然災害などの教訓から節水を意識する人が増えたことなどが挙げられます。
節水を意識しないまま水を使っていると、生活用水の量は増加し続ける可能性があるといえるでしょう。

また、日本人の水使用量の平均は、1日当たり約200Ⅼ~300Ⅼ・人といわれています。
世界平均の水使用量は約170Ⅼで、世界保健機構(WHO)の定める「飲料水や生活用水として1日に最低限必要な水の量」は50Ⅼです。
この数字を見ても、日本人がいかに水を多く使っているかがわかります。

日本は雨の量が多いとはいえ、1日に使用できる水の量は無制限ではありません。
深刻な水不足にならないためにも、国民ひとり一人がふだんから節水を心がけることが大切なのです。

気候変動による水不足

地球温暖化

地球温暖化によりもたらされる気候変動も、水不足を引き起こす原因のひとつです。
地球の気温上昇は、海水の水分蒸発量や風の流れに影響を及ぼし、世界全体の降雨バランスを変化させると考えられています。

日本ではここ数年、ゲリラ豪雨など短時間に強い雨が降ることや、速度の遅い大型の台風が上陸することが増えていますが、これは温暖化の影響によるものです。
しかしその一方で、雨が降る日数自体は全体的に減少傾向にあるという、アンバランスな状態になっています。
もともと雨が降りにくい時期の雨量がさらに減ると、安定した水資源の確保が難しくなるといえるでしょう。

気温の上昇は積雪量や融雪の時期にも影響を与えるため、水資源の量の減少や、確保できる時期が変化する可能性もあるといわれています。

日本の地形による水不足

渓流

日本特有の地形も水不足に関係があります。

日本列島は狭い面積の中に多くの山地があり、ほとんどの河川が短く急勾配であるのが特徴です。
降雨量が多くても、雨が河川にとどまる時間はそう長くありません。
日本に降る雨の大部分は、うまく活用されないまま海へと流れ込んでしまうのです。

日本には、安定した水の供給や洪水対策のためのダムがありますが、雨量が少なければ十分な貯水ができず、渇水が発生します。
平成の大渇水などと呼ばれる「1994年列島渇水」では、西日本を中心に全国的な水不足となりました。

1994年は少雨傾向であり、異常に早い時期の梅雨明けや、梅雨明け後の猛暑などが渇水に拍車をかけたと考えられています。

また短時間で大量の雨が降ると、河川の氾濫による洪水の危険性が高まるという問題が発生しますが、やはり地形が関係していることが多いです。
雨水が陸地にとどまりにくいという地形の特徴をふまえ、洪水対策と同時に水不足対策をしていくことが大切といえるでしょう。

水不足になるとどうなるの?取水制限と給水制限について

水の備蓄

渇水が発生すると、日本では「取水制限」や「給水制限」を実施します。
渇水とは、雨量が少なく水源の水が不足しており、段階的な水の制限が必要である状態です。

日本では、1964年の東京五輪渇水、1978年の福岡渇水、1981年の沖縄渇水、1994年の列島渇水など、過去に何度も大規模な渇水が発生しました。
大規模な渇水により水が制限されると、私たちの生活や社会活動にさまざまな影響が出ます。

ここでは取水制限と給水制限の違いや、実際に水が制限されると生活にどのような影響が出るのか見ていきましょう。

取水制限と給水制限の違い

「取水制限」とは、水源である河川から取り込む水の量を減らすことです。

取水制限10%ではほとんど影響を実感できませんが、取水制限20%になると公園の噴水の水が止まることもあります。
高台にある家庭で水道水が出にくくなったり、学校のプールが使用できなくなったりするのは、取水制限30%の段階です。

さらに水不足が深刻化すると、今度は「給水制限」が実施されます。
「給水制限」とは、各家庭に運ばれる水の量を制限することです。

給水制限には「減圧給水」と「時間給水」の2種類があります。
「減圧給水」とは、水を運ぶ圧力を下げて家庭の蛇口から出る水の量を減らすことです。

「時間給水」とは、蛇口から水が出る時間を制限して断水の時間帯を設けることであり、減圧給水の次の段階となります。

水不足の深刻さに応じて、「取水制限」→「減圧給水」→「時間給水」という段階で水が制限されるのです。

給水制限による生活への影響

大きな影響を感じにくい取水制限と異なり、給水制限が行われるようになると、私たちの生活には次のような影響が出ると考えられます。

  • 蛇口から濁った水や赤い水が出る
  • 高台にある家庭では断水時間以外でも水が出にくくなる
  • 入浴・トイレの回数が制限される
  • 学校や水を多く使用する店舗などが休みになる
  • できるだけ節水するために紙皿や紙コップを利用するようになる
  • 地域によっては地盤沈下を起こす可能性がある

さらに水不足が深刻化すると、公共トイレの閉鎖や消防活動用の水の不足、水の出るエリアへの避難など、より深刻な事態となることが予想されます。

水問題を解消するための日本企業の取り組み

手の上の地球

水不足が深刻化している日本では、多くの企業が水問題解消のための取り組みを行っています。

環境省によると、水資源の有効活用や保全に取り組んでいる企業は230社以上あるようです。
ここでは、日本企業の水問題解消のための取り組みについてご紹介していきます。

東レ株式会社の取り組み

東レ株式会社では、海水を蒸発させない海水淡水化装置を開発し、海水から飲料水を作ることに成功しています。

東レ株式会社の海水淡水化は、環境破壊につながる従来の海水を蒸発させる方法によるものではありません。
世界最高レベルの造水性能を誇る逆浸透膜を開発し、海水を蒸発させることなく効率的に淡水を造り出しているのです。

地球に優しい東レ株式会社の技術は、インドネシアやパプアニューギニア、中東地域など、世界の水問題の解決に貢献しています。

日本コカ・コーラ株式会社の取り組み

日本コカ・コーラ株式会社では、「い・ろ・は・すの森活」プロジェクトを運営し、売り上げの一部を水資源の保全を行う自治体やNPOに寄付しています。
「い・ろ・は・すの森活」は、日本の豊かな水を育ててくれる山や森を守る活動を支援している、水質保全プロジェクトです。

コカ・コーラ株式会社は、自社製品に使用した水の自然への還元など、さまざまな水資源保護活動にも取り組んでいます。

TOTO株式会社の取り組み

TOTO株式会社では、節水技術の追求とともに、水に関わる環境活動に携わる団体への支援を行うため、「TOTO水環境基金」を設立しています。

またTOTO株式会社は「TOTOグローバルビジョン」を掲げ、国内外でさまざまな活動を行ってきました。
南部アフリカにあるエスワティニ王国での水・衛生プロジェクトや、世界遺産に登録された白神山地のブナの森の復元・再生活動など、多くの活動に取り組んでいます。

無印良品の取り組み

無印良品では、プラスチックごみを減らすことを目的とした水プロジェクトを始めています。
無印良品が設置する給水機で、自分でマイボトルに水を入れることにより、空のボトルを1本でも減らそうという取り組みです。

専用のマイボトルさえあれば、気軽に水分補給のための水を確保することができます。
無印良品の給水サービスについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

水不足対策にはどんなことがある?私たちができることはこれ!

蛇口で節水

最後に、私たちができる水不足対策を3つご紹介します。

  1. 積極的に節水する
  2. 水のリサイクルを意識する
  3. 環境問題を意識する

水不足を防ぐためには、水の使い過ぎに注意するだけでなく、水の捨て方や環境問題なども意識することが大切です。
歯磨きの間は水を止める、お米のとぎ汁で食器をすすぐなど、あなたにできることから始めてみませんか。

1. 積極的に節水する

バスタブ

水不足対策のひとつめには、積極的に節水することが挙げられます。

日本人1人が1日に使う水の量は、約200~300Ⅼです。
内訳は多い順に、トイレ、お風呂、炊事、洗濯、洗顔・その他となっており、毎日の生活に水が欠かせないことがわかります。

トイレの回数や、トイレで使用する水の量を減らすのは難しいのですが、お風呂で使う水の量を減らすことは可能です。
体や髪を洗っている間はシャワーを止める、浴槽のお湯は家族全員で使い洗濯や掃除にも使うなど、工夫できるところから始めてみましょう。

また、水の出しっぱなしを止め、水やお湯を再利用するなどで継続的に節水すると、水道代の節約につながります。

2. 水のリサイクルを意識する

食器洗い

水のリサイクルを意識することも水不足対策になります。
前述した、お風呂のお湯を再利用することもリサイクルですが、油で汚れたお水を捨てないことも大切です。

キッチンの排水口に、揚げ物に使用した油をそのまま捨ててしまうと、海や川の水が汚染され、環境破壊につながる可能性があります。
揚げ物で使った油は、いらない新聞紙などに吸わせて処分するとよいでしょう。

また、食器についた油やマヨネーズなども、まず新聞紙などで拭きとっておくと、洗剤やすすぎに使う水の量を減らすことができます。

3. 環境問題を意識する

エアコン節電

水不足の問題は、地球温暖化などの環境問題と深い関係があります。
節水を心がけ、リサイクルを意識すると同時に、環境問題についても意識しましょう。

温暖化の一番の原因といわれているのは二酸化炭素です。
私たちひとり一人が二酸化炭素の排出量を減らすことは、温暖化対策、そして水不足対策につながります。

冷蔵庫に物を詰め込まない、温水便座のフタを閉める、テレビを見る時間を短くする、エアコンの設定温度に注意するなど、小さなことから始めてみてはいかがでしょうか。

水不足は他人事ではない!水問題を意識しよう

多くの国が水不足などの水問題に苦しんでいますが、日本も例外とはいえません。
日本は雨の量が多く、水が豊かな国と思われていますが、水不足になる可能性があるのです。

ふだんから節水を心がけ、あなたにもできる温暖化対策を始めることが、日本の水不足対策につながります。
水問題をもっと身近なものとして意識し、限りある水資源を大切にしていきましょう。

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