お米好き必見!稲作における水管理の方法とは??

稲
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みなさんは日本のお米のことをご存知でしょうか。

日本で栽培されている米は主にジャポニカ種と言われるもので、粒が短く、丸みを帯びているのが特徴です。
精米した米を炊くと柔らかさと粘り気、そしてほのかな甘さを持ち日本の主食として私たちの生活に馴染んでいます。

その日本米の美味しさの秘訣は、「水」にあったんです。

今回はそんなお米の稲作における水の重要さを紹介していきます。
お米好きの方は必見です。

目次

稲作において水管理が必要な理由は?栽培管理がしやすくなるから

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普段私たちが主食としている日本のお米の品種の品種「うるち米」は、水稲(すいとう)という種類になります。

水稲は水の多い環境に適した稲のことで、主に水田で栽培されています。

この水稲は田んぼの水を肥料としているので、稲の成長や気温に応じて水を補充したり逆に水を抜いたりする「水管理」が重要になってきます。

そのため「水管理」は、より美味しいお米や収量を増やすために必要不可欠なのです。

水管理をする5つのメリット

続いて水管理をする5つのメリットを紹介していきます。

メリットは以下の通りになります。

  • 土中の酸素がなくなり雑草の種子が発芽できず、不純物が無くなる
  • 水中で生息できる病害虫が少ないため、病害虫の被害対策になる
  • 安定した土壌環境を維持できるため、連作障害を起こしにくくなる
  • 熱しにくく冷めにくい水の保温効果で、冷害の被害を受けにくくなる
  • 養分を含んだ川の水を溜めることにより、土や稲に肥料分を供給できる

水管理を行うことによって、外敵である雑草や害虫から守ったり冷害から守ったりと、大きな被害を受けにくくなるメリットが生まれます。

水に栄養分を含ませることによって、安定した環境や栽培を可能にしてくれます。

しかし、ただ田んぼに水を貯めておけばいいという訳ではありません。
時期や工程に合わせて水を抜き、大きく酸素を与えてあげることで、水稲の成長を大きく促す必要があります。

このように稲作においては細かい水管理が重要となります。
続いて、その細かい水管理の工程を紹介していきます。

時期によって異なる水管理の5工程

Farmers farming on rice terraces. Ban Pa Bong Piang Northern reg

稲作における水管理の工程は大きく5つに分けられ、その工程は下記の通りとなります。

  1. 播種(はしゅ)期〜育苗(いくびょう)期
  2. 田植え期〜最高分げつ期
  3. 最高分げつ期〜中干し期
  4. 出穂期
  5. 収穫期

おおよそ3月から10月の期間をかけて収穫するお米ですが、その中で必要な水管理をそれぞれの時期ごとに、細かく工程を紹介していきます。

1. 播種(はしゅ)期〜育苗(いくびょう)期

稲作の第一の水管理は、播種期~育苗期に行われます。

播種とは、簡単にいうと種まきのことです。

この時期では、より育てやすくより良質なお米を作るために「選種→消毒→浸種(しんしゅ)(しんしゅ)→催芽(さいが)(さいが)」という工程で水管理と共に作業を進めていきます。

美味しいお米を作るための下準備として、細かい水管理が欠かせない工程となっています。

選種

まずは選種を行います。
選種は籾籾殻に包まれた稲の種(種籾)を選別する作業です。

一般的には「塩水選(えんすいせん)」という方法で行われ、塩水に籾を浸けていきます。
胚や胚乳が少ない籾は塩水に浮くため、沈んだ籾を選別していきます。

消毒

選別した種籾は、害虫や病原菌がついている可能性があるため消毒していきます。

消毒方法は、農薬を使った消毒や温水を使った「温湯消毒」などがあります。
温湯消毒とは、約60℃の水に10分ほど浸けることで消毒効果が得られる方法です。

浸種(しんしゅ)

続いて浸種を行います。

浸種とは、消毒した種籾を水に浸すことです。
種籾は水分を吸収すると呼吸が盛んになり発芽が促進されるので、発芽の準備段階となる工程になります。

積算温度(水温×日数)が100になるよう、10~15℃の温度で必要な日数を浸種していきます。

催芽(さいが)

最後に催芽を行い、育苗へと備えます。

催芽は、浸種が終わった種籾を30℃前後のお湯に浸けることで発芽させる工程になります。
約30℃前後のぬるま湯につけることで、発芽が始まります。
催芽が始まると一気に成長し始めるため、芽が伸びすぎないよう注意が必要となります。

2. 田植え期〜最高分げつ期

第2の水管理は、田植え期から最高分げつ期にかけて行われます。

「分げつ」とは、枝分かれのことで、稲の場合は茎が10本~20本程度に分げつが発生していきます。

分げつが増えると苗同士の間隔が狭まるので栄養が充分に行き渡らなくなり、やがて枯れてしまいます。その枯れる前の茎数が最も多くなる時期を「最高分げつ期」と読んでいます。

この時期での水管理を紹介していきます。

田んぼの水深を管理する

田植え期〜最高分げつ期では、稲の生育に合わせて水深を調整していきます。

分げつ期に入る前の田植え後は、5~7cm程度の水深にして保温効果により苗を保護します。
苗が生育し始め分げつしていくと水深を2~4cm程度に上げ、地面の温度を上げることで分げつを活発化させます。

水の深さから田植え期の水深を「深水(しんすい)管理」、分げつ期に入った水深を「浅水(せんすい)管理」と呼びます。

3. 最高分げつ期〜中干し期

最高分げつ期を迎えると、稲の分げつの発生は終わり茎が伸び始めます。

植物の根は水を求めて根を地面の下へと張り巡らせる性質を持っています。

最高分げつ期を迎えたまま稲を水に浸けていると根は成長せず、高さ30~40cm程まで育つ穂を支えることが出来なくなってしまいます。
そのため、ここからは地面に亀裂が入るまで乾燥させる「中干し期」に移行していきます。

田んぼの水を抜く

ここで必要な水管理の工程は、田んぼの水を抜くことです。

中干しは土に溜まった有毒ガスを抜き酸素を供給する、無駄な分げつを抑えるといった目的がある重要な工程になっています。

中干し期を迎え、稲は秋の収穫に向かって根をしっかり張り巡らせるよう成長していきます。

4. 出穂(しゅっすい)期

中干し期を終えると、稲の茎から「走り穂」と呼ばれる穂が出ます。
そして約半数の茎から穂が出てくる時期を、「出穂期」と呼んでいます。

穂が出てくると、栄養は全て米となる穂に周ってしまうため、根が弱体化していきます。
根が弱体化してしまうと穂を支えることが出来なくなってしまうので、今度は根を助けるために水の管理が必要となります。

間断灌水(かんだんかんすい)を行う

間断灌水とは、水田に水をためる「湛水(たんすい)」と、水田の水を抜く「落水」を繰り返すことです。
この間断灌水は、状況を見ながら湛水と落水を2~3日毎に繰り返していきます。

中干し期同様、水を抜くことによって土に酸素を与え根の成長を促します。
湛水と落水を繰り返すことによって、根の弱体化を防ぎつつ穂を成長させていきます。

5. 収穫期

穂が成長し実入りが進むと、穂が綺麗な黄金のように輝く収穫期に入ります。
収穫にはコンバインなどの大型の農業機械を使用して収穫・脱穀の作業を行います。

この収穫の際に、籾が濡れていると機械が詰まってしまう原因になったり品質劣化の原因になったりしてしまうため水管理には注意が必要となります。

落水する

稲を乾燥させる必要があるため、最後の落水を行います。
この落水は時期の見極めが非常に重要となっています。

早く落水しすぎると、水分不足により登熟しなかったり害虫の被害を受けやすくなったりしてしまいます。

また落水が遅れてしまうと、籾が熟れ過ぎて品質が劣化したり稲が倒伏してしまう原因になったりしてしまいます。

お米の品質を保つためにも、最後まで水管理が重要となっています。

地域による水管理の注意点は?環境に合った水管理が重要

ここまでは一般的な水管理を紹介してきましたが、ここでは地域の違いによる水管理を紹介していきます。

日本は東西3000㎞、南北にも3000㎞の長さがあり、地域によって気候も大きく変わります。そのため稲作には、地域の気候や環境に合った水管理が重要となってきます。

それぞれの水管理の違いを説明していきます。

寒冷地の水管理

寒冷地では、田植え時期である4〜6月の気温が低いため初期の水管理が重要となってきます。

一般的には、低温・強風時には「深水」、高温・晴天時には「浅水」の水管理を行います。

寒い地域では保温効果を利用した水管理が重要となり、水温をしっかりと管理することで寒冷地でも十分な稲作が可能となっています。

分げつ期においても、分げつを確保するために浅水管理を行い水温を高く保つことがポイントとなっています。

暖地の水管理

暖地では、田植え時期の気温は高くなっているため、初期の水管理はそこまで重要ではありません。

分げつ期に入ると、高温多照によって分げつが多くなってしまい品質低下につながってしまいます。そのため中干し期を早め、田んぼの水を抜く対処が必要となってきます。

徹底した水管理のおかげで美味しいお米が食べられる

お米は約半年間の長い時間をかけて、沢山の工程を経て作られています。

苗を育てるところから収穫までの工程の中で、徹底した水管理があるから私たちは美味しいお米が食べられているのです。

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