日頃から水を飲むのに対して「水を飲むのは、身体にどんな影響を与えるのだろう?」「とにかく水を多く飲めばいいのかな?悪影響はあるの?」と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。
本記事では、水と身体の関係性について以下の流れでご紹介します。
- 水と身体の関係性について
- 水を飲まないことで起こる問題
- 水を飲むことで期待できる効果
- 水分補給におすすめできない3つの飲料
- 水分補給を習慣化する3つの方法
この記事を読むことで、水と身体の関係について理解が深まり、こまめな水分補給を習慣化するための準備を始められるようになります。ぜひ、最後までご覧ください。
水と身体の状態には密接な関係がある
私たち人間の身体は、水分と切っても切り離せない関係にあります。なぜなら、健康的な身体を維持するためには身体の水分量が一定に保たれている必要があるからです。
水分の役割の例としては血液や尿、汗などが挙げられます。水分を利用して、栄養素の循環や老廃物の排出などが行われるのです。
体内の水分量が低下すると、これらの機能が低下してしまいます。身体の病気や不調を引き起こす可能性が高まってしまうのです。
健康維持のためにも、水は人間の身体にとって欠かせない存在だといえるでしょう。
水を飲まないことで高まる健康リスクとは
まずは、水を飲まない習慣によって高まる健康リスクについて確認しましょう。内容は以下の通りです。
- 食事量が増える
- 新陳代謝が悪くなる
- メンタルが不安定になる
ここから、体内の水不足によって引き起こされる健康リスクを1つずつ紹介します。
食事量が増える
日頃から水を飲む量が少ない場合、食事の量が増えてしまう傾向があるようです。
理由としては、食事のみで空腹を満たすことになるからです。水を飲まずに食事のみで満腹感を得ようとするため、結果的にカロリーを摂りすぎてしまいます。
食べ過ぎを気にしている方は、水分の摂取量に原因があるかもしれません。
新陳代謝が悪くなる
水を飲む量が少ない方は、新陳代謝が落ちてしまうといわれています。
人間の血液は約90パーセントが水分でできているため、水分の割合が少ない血液は体内を循環しにくくなってしまいます。老廃物が身体の外に排出されづらくなるでしょう。
さらに、身体の生まれ変わりの周期であるターンオーバーが乱れるため、肌トラブルが治りにくくなってしまいます。
「身体の倦怠感が取れない」「肌荒れが治りにくい」という方は、水分摂取量を見直しましょう。
メンタルが不安定になる
水分不足は、精神状態を不安定にさせる作用があります。なぜなら、水にはリラックス効果を期待できる栄養素が含まれているからです。
水に含まれるナトリウムやマグネシウムには鎮静作用があり、就寝前に水を飲むことで眠りにつきやすくなるといわれています。
水分不足に陥ると、興奮状態になった脳の血液が体内を巡りづらくなってしまいます。「イライラしやすい」「睡眠が浅い」などの症状が現れるでしょう。
水を飲むことで期待できる効果
続いて、水を意識的に飲むことで期待できる効果5つを以下の流れで紹介します。
- ダイエット
- 美肌効果
- 便通改善
- ストレス軽減
- 身体のむくみ改善
ここから、水を飲む習慣で期待できる効果について順番に説明していきます。
ダイエット
水を飲むことでダイエット効果が期待できます。水を飲むことで血液中の水分量が増えて血流が改善されるからです。基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすい体質へと変えやすくなるでしょう。
体温が1度上昇した場合、約12パーセント代謝が上がるといわれています。水を積極的に飲んで、効率よくシェイプアップを目指しましょう。
美肌効果
水は肌にハリや潤いを与える効果も期待できます。なぜなら、皮膚の隙間が水分で満たされるからです。髪の毛のにツヤを出す効果もあるといわれています。
水分量が正常な血液はスムーズに体内を循環できるため、血液中の栄養や酸素が全身に巡りやすくなります。肌の血色も改善されるようです。
便通改善
水分を積極的に摂取することで、腸の運動が活発になるといわれています。
水を飲む量が少ない場合、腸内環境は便が蓄積されやすい状態になってしまいます。水を飲むことで便が柔らかく変化し、排出されやすくなるのです。
しかし食生活が乱れている場合、水分を摂取していても便通が改善されない可能性があります。栄養バランスを考えた食生活と並行して実践しましょう。
ストレス軽減
水による血流改善にともなって自律神経が整うともいわれています。脳が活性化されてストレス軽減につながるのです。
タフツ大学の研究によると、適度な水分補給を行ったアスリートに比べて、脱水状態になったアスリートの方が疲労や緊張、怒りなどを訴える傾向が強まることが発表されています。
また科学誌「Frontiers in Human Neuroscience」に掲載された研究によると、水分補給による脳の活性化は、子供の方が効果を得やすいこともわかっています。
運動のパフォーマンスを向上させたい方は、作業前の水分補給を取り入れてみましょう。
身体のむくみ軽減
水を飲む習慣は、身体のむくみを軽減する効果も期待できます。なぜなら老廃物が排出されやすい状態になるからです。
身体が水分不足に陥ってしまった場合、尿の濃度を上げて排出量を少なくする作用が働きます。
つまり、尿に含まれる水分を体内に溜め込もうとするのです。結果として身体がむくんでしまいます。
身体のむくみは、水の過剰摂取に限らず水分不足によっても引き起こされる現象です。水分補給を意識して老廃物の排出を促進しましょう。
身体に良い水の飲み方
次に、身体に良い効果をもたらす水の飲み方を紹介します。内容は以下の4つです。
- 喉が乾く前に飲む
- 一気飲みをしない
- 常温・白湯にして飲む
- 1日1.2〜2リットル飲む
ここから、身体に良い水の飲み方を1つずつ確認していきましょう。
喉が渇く前に飲む
喉が渇いたと感じる前に水を飲みましょう。なぜなら「喉の渇き」と「脱水症状」は紙一重だからです。
身体の2%ほどの水分が失われると喉の渇きを感じるようになり、身体の3%ほどの水分が失われると脱水症状が起こります。
喉の渇きは我慢しないように心がけ、こまめな水分補給を意識しましょう。
一気飲みをしない
水の一気飲みは、腎臓の機能を低下させる可能性があります。ダメージを受けた腎臓は、体液や老廃物を処理しきれず体内に蓄積してしまいます。「低ナトリウム血症」の原因になるため注意が必要です。
腎臓は、体内の体液や老廃物から尿を作り出す大切な臓器です。 腎臓が弱っている方や水分補給に慣れていない方は、水の飲み方に注意しましょう。
常温・白湯にして飲む
水は、常温や白湯の状態で飲むのをおすすめします。なぜなら冷水は胃腸の消化機能を低下させてしまうからです。
食べ物の消化がスムーズに行われないため、腹痛や便秘、下痢などを引き起こす可能性が高まるでしょう。
一般的には、冷水は約5〜15度の水、常温水は約20〜35度、白湯は50度前後の水を指します。水分補給をする際は、15〜25度の水を飲みましょう。
1日1.2〜2リットル飲む
水は1日1.2〜2リットルを目安に、こまめに飲むことを意識しましょう。なお、1日に必要な水分摂取量は、体重によって変動します。
最適な水分摂取量は下記の計算式で求められます。
【計算式】
(1日の水分摂取量目安)=(体重)×(1kgあたりの必要な水分量)
【1kgあたりの必要な水分量】
- 54以下:1kgあたり35ml/日
- 55歳〜64歳:1kgあたり30ml/日
- 65歳〜:1kgあたり25ml/日
「水は1日2リットル飲むべき」という内容をよく耳にしますが、あくまでも目安になるためご注意ください。
避けたい水の飲み方3つ
ここからは、水分補給として避けたい飲み方3つを以下の流れで紹介します。
- 飲み方1:お茶・コーヒー
- 飲み方2:アルコール
- 飲み方3:ジュース
ここから、水分補給として避けたい3つの飲料について詳しく紹介します。
飲み方1:お茶・コーヒー
お茶やコーヒーをメインとした水分補給はおすすめできません。
お茶やコーヒーには「カフェイン」という成分が含まれており、 利尿作用があるからです。体内が水分不足の状態に陥りやすくなってしまいます。
加えて、カフェインには体温低下や鉄分の吸収を阻害する作用もあります。女性の方は体調の変化に合わせて摂取する必要があるでしょう。
飲み方2:アルコール
水分補給のためにアルコールを摂取するのは避けましょう。アルコールの1種であるアセトアルデヒドを分解するために体内で水分が消費されるからです。
また、アルコールには利尿作用があります。飲んだお酒の量より多くの水分が排出されてしまうでしょう。
「お酒を飲んだ夜はトイレで起きてしまう」「朝起きると喉が渇いている」といった症状を引き起こすため注意しましょう。
飲み方3:ジュース
ソフトドリンクやスポーツドリンクを含むジュース類は、水分補給として適切ではありません。
ジュース類は水分に加えて糖分を含んでおり、過剰摂取は糖分の摂りすぎとなってしまいます。かえって太りやすい体質へと変化してしまうでしょう。
将来的には脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などの病気に繋がる危険性もあるため、ご注意ください。
継続しやすい水の飲み方3つ
最後に、水分補給を継続する3つの方法を紹介します。内容は以下の通りです。
- 時間を決めて飲む
- タンブラーを持ち歩く
- ウォーターサーバーを設置する
ご自身の生活習慣やお財布と相談して、実践できる方法から取り入れてみましょう。ここから詳しく紹介します。
時間を決めて飲む
時間を決めて水を飲むことで「水分補給を忘れてしまった」「気づいたら3日坊主で終わっていた」という事態を防げます。
また、タイミングを決めて水を飲むことも効果的です。まずは以下のタイミングから水分補給を意識してみましょう。
- 朝起きた時
- 排泄の後
- 食事の前
- 運動の後
- 入浴の後
- 寝る前
タンブラーを持ち歩く
水を入れたタンブラーを持参して外出するのも、水分補給を継続する方法の1つです。
出先で水を購入する必要もなく、ご自身のタイミングで手軽に水分補給できる魅力があります。
また、自動販売機やコンビニでミネラルウォーターを買う必要もなくなります。身体にもお財布にも優しいといえますね。
お気に入りのマイボトルで外出時も楽しく水分補給を継続できるでしょう。
ウォーターサーバーを設置する
強制的に水を飲まなければいけない環境を作ってしまうのも1つの方法です。
ウォーターサーバーのレンタル料やボトルの定期便など、水を飲まないと損してしまうシステムを生み出せます。
金銭的に余裕がある方や、もともと水を利用する頻度が高い方はウォーターサーバーの導入を検討してみてください。
水を飲んで健康的な身体づくりに繋げよう
本記事では、水が身体に与える影響や水分補給を習慣化する方法、注意点についてご紹介しました。
人間の身体は植物と似たように、水なしでは機能できない性質をしています。水は健康維持のためにも欠かせない存在といえるでしょう。
しかし、飲む水の量や期待できる効果は、体質によって異なります。ご自身の健康状態や、日常生活に取り入れやすい水分補給の方法を実践してみてはいかがでしょうか。くれぐれも、過剰摂取やドリンク類での実践にはご注意ください。
本記事の内容を参考にして、まずは1日に必要な水分量を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。