トップ水の知識海の日到来!海の水はなぜしょっぱいのか?その理由を徹底解剖!

海の日到来!海の水はなぜしょっぱいのか?その理由を徹底解剖!

海の日到来!海の水はなぜしょっぱいのか?その理由を徹底解剖!

四方を海に囲まれた、日本ならではの祝日「海の日」は、海の恵みに感謝する日です。
海の日に家族や友達同士で海水浴に行く人も多いでしょう。

ご存じの通り、海の水は河川や湖の水と違ってしょっぱいものです。
海の水がしょっぱいのは塩が含まれているからですが、なぜ塩が含まれているのかを説明できる人は少ないかもしれません。

今回はなぜ海の水がしょっぱいかについてご紹介します。
子供と海水浴を楽しむときに、教えてあげてみてはいかがですか。

子供に海の水がしょっぱい理由を聞かれたら?「塩が含まれているから!」

海水1

子供から「海の水がしょっぱいのはどうして?」と聞かれたときの答えは、「塩が含まれているから」が正解です。
正確には「塩化ナトリウムが含まれているから」ですが、海水にはほかにも多様な成分が含まれています。

また、身近にある塩を含む液体というと、醤油が思いつくかもしれません。
ここでは海水の成分や、海水よりも塩分濃度の高い醤油をなめても、海水ほど塩辛く感じない理由を説明していきます。

海水の成分で最も多いのは塩化ナトリウム

食卓塩

水が主成分である海水には、塩化ナトリウムをはじめさまざまな成分が含まれています。
海水に含まれる塩の割合は次の通りです。

海水に含まれる塩割合
塩化ナトリウム77.9%
塩化マグネシウム9.6%
硫酸マグネシウム6.1%
硫酸カルシウム4.0%
塩化カリウム2.1%
その他(炭素や臭素など)0.3%

これを見ると、海水の成分の大部分を占めているのは塩化ナトリウム=塩とわかります。
海水をなめると、しょっぱさだけでなく苦味を感じることがありますが、苦みはマグネシウムやカリウム成分によるものです。

また海水には、天然の元素92種類すべてが含まれています。
海水に含まれる天然元素の上位を占める成分組成は、私たち人間の体液組成とほぼ同じです。
体液だけでなく、胎児が浮かぶ羊水の組成も海水と似かよっています。
「生命の起源は海」といわれるのは、このような理由があるからなのです。

海水の塩分濃度は約3.4%

海水2

海水に含まれる水分96.6%に対し、塩分は約3.4%、つまり塩分濃度は約3.4%です。
人間の体液の塩分濃度は約0.9%、運動したときの汗の塩分濃度は0.3%~0.9%で、海水の塩分濃度のほうが高いことがわかります。
そのため海の水が口に入るとしょっぱいと感じるのです。

しかし、人間の体液と海水の組成が似かよっていることから、生命が誕生したころの海水は体液と同じ塩分濃度だったのでは…という説もあります。
現在の海水の塩分濃度は体液よりも高いため、たとえ海で遭難して喉が渇いたとしても、絶対に海水を飲んではいけません。
海水の塩分により体の細胞が脱水症状を起こし、より一層水分を求めるようになります。
飲めば飲むほど危険な状態に近づいてしまうので注意しましょう。

醤油が海水ほどしょっぱくない理由

醤油

醤油は海水よりも塩分濃度が高いのですが、海水が口に入ったときほどしょっぱく感じない方が多いのではないでしょうか。

醤油の塩分濃度は、薄口醤油16%、濃口醬油14.5%、白醤油14.2%で、海水に比べると約5倍の塩が含まれています。
減塩醤油の塩分濃度は、一般的な醤油の半分で7~8%程度、つまり海水の約2倍です。

しかし醤油は海水と異なり、アミノ酸などのうま味成分や甘味などさまざまな成分が含まれています。
うま味や甘味、酸味などが塩味と複雑に絡み合っているため、海水に比べてしょっぱさを感じにくいのです。
海水ほどしょっぱくないとはいえ、醤油を大量に飲むと海水以上に危険なためご注意ください。

海水はもともとしょっぱかった?古代の海水は酸っぱかった可能性も…

プラネット

海水は太古の昔からしょっぱかったのか、時間をかけてしょっぱくなっていったのか…これは今だに解明されていません。
地球が誕生したのが約46億年前、その2億年後に海が誕生し、生命が誕生したのがさらに2億年後、今から38億年前と考えられています。

海の水がしょっぱい理由にはさまざまな説がありますが、代表的な説は次の2つです。

  • 大気中の塩素ガスを含む雨が海を作った説
  • 陸地に含まれる塩素やナトリウムが海に流れ込んだ説

古代の海水は酸性だった?

マグマ

地球誕生の2億年後に誕生した古代の海は、非常に強い酸性だったのではないか、という説があります。
誕生したばかりの地球の表面は、岩石が溶けた熱々のマグマに覆われていました。
成長しつつある地球に、次々と周囲にある微惑星が衝突したためです。

大気中には、微惑星の衝突により発生した水蒸気や塩素ガスなどが含まれていました。
分厚い大気が地球を覆い、微惑星の衝突により発生した熱を閉じ込めたため、地球表面が高温となりマグマの海ができたのです。
熱々のマグマの海の深さは、浅くても数100㎞あったと考えられています。
この時点でまだ海はありません。

微惑星の衝突がおさまると、次第に地球の温度が下がり始めます。
温度が下がることで、高温で気体だった水蒸気は雨となり、やがて大雨となって地球に降り注ぎました。
大雨が降り続けた期間は、1,000年以上とも何万年以上ともいわれています。
大雨は地球表面のくぼ地にたまり、やがて広大な海が誕生したのです。

地球に降り注いだ雨には塩素ガスが溶けていたため、誕生したばかりの海は強い酸性だったと考えられています。
古代の海は塩酸や硫酸を含んでいたと考えられるので、酸っぱいどころか飲むことができない危険な水だったのかもしれません。

海水がしょっぱくなった理由は解明されていない

海と太陽

海の水がしょっぱくなった理由は解明されていませんが、さまざまな説があります。
よく知られているのは、「酸性の海が中和されてしょっぱくなった」という説と、「陸地の成分によりしょっぱくなった」という説です。

誕生したばかりの海は、塩素ガスを含む雨が溜まったもので、地球表面の岩石をも溶かすほど強い酸性でした。
岩石にはナトリウムやカルシウムなどが含まれており、酸性の海水により少しずつ溶け出していきます。
やがて海水中の塩素とナトリウムが結びつき、中和反応を起こして塩化ナトリウム=塩になった、というのが1つ目の説です。

もう1つ、地球に陸地ができてから陸地の成分で海水がしょっぱくなった、という説があります。
陸地に含まれるナトリウムや塩素が、降り続く雨により海へと流れ込み、やがて海の中で塩化ナトリウムになったという考えです。

当時の地球にオゾン層はなく、太陽からの強烈な光が降り注いでいたと考えられています。
強い太陽光により海の水分は蒸発しますが、塩分は蒸発しません。
蒸発した水分はやがて雨となり、再び陸地のナトリウムや塩素を溶かしながら海に流れ込みます。
この繰り返しにより、少しずつ海の塩分濃度が高くなったのではないか、というのが2つ目の説です。

現在でも、海水が蒸発すると塩分濃度が上がるため、「将来的にもっとしょっぱくなるのでは?」と考えられるかもしれません。

しかし、雨が降ると水分が増えるので、生態系に大きな影響を与えるほどの塩分濃度にはならないといわれています。

海水の塩分濃度はどこも同じ?世界一しょっぱい海はここ!

死海2

海水の塩分濃度は約3.4%とされていますが、世界中どこでも同じではありません。
日本の太平洋側と日本海側では、海水の塩分濃度に若干差があります。海域によって塩分濃度は異なるのです。

ここでは、世界一しょっぱい海や、同じ地球上でも海水の塩分濃度が異なる理由について見ていきましょう。

世界一しょっぱいのは死海

死海1

世界一しょっぱい、最も塩分濃度が高い海は、アラビア半島北西部にある死海であるといわれています。
塩分濃度は約30%で、普通の海水の約10倍もの塩が含まれているそうです。
塩分が多すぎて魚などの生物が生息できないため、「Dead Sea」という名前がつきました。

死海というと、誰でも簡単に浮かぶことができる場所として知られています。
これは死海の塩分濃度が高く、人よりも死海の水のほうが比重が大きいことが理由です。

死海には、塩分やミネラルを含むヨルダン川の水が流れ込みます。
世界一低い場所にある死海には、水の逃げ場がありません。
ヨルダン川から流れ込む水に含まれる塩分は、水分が蒸発するとそのまま残ってしまうため、死海の塩分濃度が高くなったのです。
近年では、ヨルダン川やその支流から多くの水をくみ上げていることにより、死海の水位がどんどん下がっていることが問題視されています。

ただし、死海は「海」ではなく「塩水湖」です。
世界一塩分濃度の高い「海」は、塩分濃度3.6%~3.8%の紅海が正解なのですが、一般的には死海が世界一塩分濃度が高い海といわれています。

「塩水湖」の中で死海以上に塩分濃度が高いのは、セネガルにあるレトバ湖です。

レトバ湖は条件によってピンク色に見えることから、「ラック・ローズ」と呼ばれています。
レトバ湖の塩分濃度は死海とほぼ同じですが、場所によっては40%を超えるため、世界一しょっぱい「湖」はレトバ湖といえるかもしれません。

海域ごとに海水の塩分濃度が異なる理由

流氷

海域ごとに塩分濃度が異なる理由は主に次の3つです。

  • 海水の蒸発
  • 海水の凍結・海氷の融解
  • 河川の水の流入

海水の塩分濃度は、風や雨、潮流などの影響も受けるため、海域によって3.1%~3.8%と差がありますが、塩分の組成に大きな違いはありません。

1. 海水の蒸発

気温や海水温が高いエリアでは、海水面から水分が蒸発しやすく、塩分濃度が高くなります。
気温や海水温が高いのは赤道付近ですが、雨が多く湿度が高いのでそれほど海水は蒸発しません。

海水の蒸発量が多いのは赤道付近の熱帯地域ではなく、緯度20度~30度の亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)と呼ばれる地域です。
亜熱帯高圧帯は雨が少なく空気が乾燥しているため、海水の塩分濃度は高くなり、陸地では亜熱帯砂漠が発達します。

2. 海水の凍結・海氷の融解

海水が凍ったり溶けたりすることでも塩分濃度は変化します。
海水が凍結・融解するのは、太陽エネルギーの届きにくい北極・南極付近です。

海水が凍結するとき、塩分は凍結せずに海に残るため、塩分濃度は高くなります。
逆に海氷が融解するときは、水分が海水中に流れ込むため、塩分濃度は低くなるのです。

3. 河川の水の流入

大きな河川の河口付近では、川からの淡水や低塩分水が海へと流れ込むことにより、塩分濃度が低くなります。
ただし、川と海の水が混じり合う汽水域では、下層と表層の塩分濃度は同じではありません。
汽水の広がる表層は塩分濃度が低めですが、下層には汽水よりも塩分濃度の高い海の水が存在しているからです。

海水と同じ塩分濃度の食塩水で調理の下ごしらえをしよう

あさり

最後にご紹介するのは、海水と同じ塩分濃度の食塩水の作り方です。
食塩水には、あさりの砂抜き以外にもさまざまな活用方法があります。
ぜひ調理の下ごしらえに取り入れてみてください。

海水と同じ塩分濃度の食塩水の作り方

海水と同じ塩分濃度の食塩水は、水1Lに塩30g(大さじ2)を溶かすだけで簡単に作れます。
海水の塩分濃度は約3.4%ですが、調理の下ごしらえに使う食塩水の塩分濃度は3%で問題ありません。

食塩水を1Lも使わない場合は、水500mlに塩大さじ1を溶かすなど、同じ割合にして作りましょう。
計量カップや計量スプーンがなくても、500mlのペットボトルに入れた水と、ペットボトルのキャップ2杯分の塩でも作ることができます。

アサリの砂抜きの方法

アサリの砂抜きのやり方は次の通りです。
水道水を使った塩水でも可能ですが、カルキを抜いた水道水で作った塩水のほうがしっかり砂抜きできます。

  1. アサリを流水でよく洗い、殻の汚れを落とす
  2. ボウルやバットにざるを置いてアサリを入れ、ひたひたになるまで塩水を注ぐ
  3. アルミホイルや新聞紙をかけて「砂の中」のように暗くする
  4. スーパーで買ったアサリは1時間程度、潮干狩りで採ったアサリは4時間程度おく
  5. 砂抜きが終わったら、アサリを塩水から出して30分程度おき、塩抜きをする

最後にもう一度アサリを流水でよく洗ったら完了です。
海水と同じ塩分濃度の食塩水は、野菜の海水漬けやあく抜き、自家製干物作りにも使うことができます。

海水がしょっぱい理由には地球の歴史と深いつながりがあった

現在の海水は塩が含まれているためしょっぱいのですが、古代の海は強い酸性の酸っぱい海だった可能性があります。
海がしょっぱい理由を知ることは、地球の歴史を知ることにつながるといえるでしょう。

海の日に海で泳いだ後、子供に海水がしょっぱい理由を聞かれるかもしれません。
海水の成分組成と人間の体液組成が似ていることや、海域ごとに塩分濃度が異なることなども教えてあげてみてはいかがですか。

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