「清涼飲料水の定義って?」
「清涼飲料水の歴史を知りたい!」
「清涼飲料水に糖分の記載がないのはなぜ?」
上記のような疑問を抱えている方も多いことでしょう。「清涼飲料水」という言葉はよく耳にしますが、何が清涼飲料水にあたるのか分かりにくいですよね。
この記事では、清涼飲料水の定義や歴史などを分かりやすく解説しています。
この記事を読むことで、清涼飲料水について詳しくなり、今後清涼飲料水を補給する際の参考にしてください。
清涼飲料水の定義とは?
食品衛生法によると、清涼飲料水は「乳酸菌飲料、乳および乳製品を除く、アルコール分が1%未満の飲料」と定義されています。
したがって、アルコール類(※ノンアルコール除く)や乳製品(牛乳など)以外の飲み物は、全て清涼飲料水です。
意外かも知れませんが、ミネラルウォーターも清涼飲料水に分類されます。つまり、私たちが日常で飲んでいるほとんどの飲み物は、清涼飲料水になります。
清涼飲料水はどのくらい飲まれている?
全国清涼飲料連合会によると、2020年度の1人あたりの消費量は年間171.4リットルです。国民1人ひとりが、毎日約469ml清涼飲料水を飲んでいる計算となります。
2020年の総生産量は茶系飲料が24.3%でトップでした。時点でミネラルウォーター類と、ミネラルウォーターが根強い人気を誇ることも分かります。
近年は炭酸飲料がNo.2でしたが、2020年ではミネラルウォーターが炭酸飲料を抜き、初めてNo.2となりました。
国内における清涼飲料水の歴史一覧
国内における主な清涼飲料水の歴史は下記の通りです。1つずつ簡潔に説明していきましょう。
- 【1853年】ペリーと共に清涼飲料水が日本に初上陸
- 【1865年】日本人が清涼飲料水を初めて製造販売
- 【1884年】ミネラルウォーターの製造販売が開始
- 【1969年】世界初の缶コーヒーが国内で誕生
- 【1970年】業務用ミネラルウォーターの市場が拡大
- 【1980年】国内初のスポーツドリンクが発売
- 【1981年】国内初の缶入りウーロン茶が発売
- 【1986年】ミネラルウォーターが普及し「水ブーム」が到来
- 【1993年】日本茶市場が急拡大
- 【2000年】緑茶飲料が大ヒット
1. 【1853年】ペリーと共に清涼飲料水が日本に初上陸
日本に初めて清涼飲料水が持ち込まれたのは、1853年です。ペリー率いる黒船がレモネード(後のラムネ)を日本に持ち込みました。
意外なことに、日本での清涼飲料水の歴史はラムネから始まったのです。
2. 【1865年】日本人が清涼飲料水を初めて製造販売
1865年、日本人が初めてレモン水を製造・販売しました。売り出したのは藤瀬半兵衛という人物で、外国人からラムネの製造方法を学び、販売につなげました。
このレモン水が清涼飲料水の国産第一号といわれています。
3. 【1884年】ミネラルウォーターの製造販売が開始
1884年、ミネラルウォーターの製造・販売が開始されました。最初に発売されたのは、天然炭酸鉱泉水の「平野水」です。
経緯としては、大阪の多田村(ただむら)で炭酸水が湧き出ているのを発見したのが始まりです。日本でのミネラルウォーターの歴史は、ここから始まりました。
4. 【1969年】世界初の缶コーヒーが国内で誕生
1969年、世界初の缶コーヒー「UCCミルクコーヒー」が国内で誕生しました。開発したのは、UCC上島珈琲の創業者・上島忠雄氏です。
その後、1973年には自販機での缶コーヒーの販売も開始されています。最初はコールド専用自販機しかありませんでしたが、1976年にはコールド・ホットを交ぜた自販機も開発されました。
5. 【1970年】業務用ミネラルウォーターの市場が拡大
1970年、業務用ミネラルウォーターの市場が一気に拡大しました。1970年に大手酒販メーカーが製造販売を始め、ミネラルウォーターが業務用として注目を浴びたのです。
この頃はまだ、一般家庭で「お金を払って水を買う」といった習慣はなく、家庭用としては普及しませんでした。
6. 【1980年】国内初のスポーツドリンクが発売
1980年、国内初のスポーツドリンクが発売されました。当時はアメリカから輸入していた粉末タイプだけでしたが、缶飲料とビン入り飲料も発売され、新たなスポーツドリンク市場を形成したのです。
また、スポーツドリンクはスポーツ時の飲料として開発されましたが、日常の清涼飲料水としても若い年齢層に普及していきました。
7. 【1981年】国内初の缶入りウーロン茶が発売
1981年、国内初の缶入りウーロン茶が発売されました。販売当初は、ウーロン割りなどアルコール飲料を割るドリンクとして需要がありました。
そして1983年以降、生産量が急増し、自動販売機の普及などでウーロン茶は急速に普及していったのです。家庭内での需要も伸びていき、食事のお供などでウーロン茶を飲む家庭も増えていきました。
8. 【1986年】ミネラルウォーターが普及し「水ブーム」が到来
1986年、輸入ミネラルウォーターが急増したこともあり、「水ブーム」が到来しました。当時ミネラルウォーターは業務用で販売されていましたが、家庭用としても人気を集めるようになったのです。
消費者の健康志向もあってか「水」の需要は急速に高まり、ミネラルウォーターは一般家庭にも急速に普及していきました。
9. 【1993年】日本茶市場が急拡大
1993年、日本茶市場が急拡大し、同時に飲料総市場も拡大させるほど爆発的な伸びを見せました。1993年に「ブレンド茶(混合茶)飲料」の市場が作られたのが、要因とされています。
もともと家庭で作れるお茶を有料で売り出すことは不安視されていましたが、不安とは裏腹に消費者にすんなり受け入れられ、生産量の増加が続いていたことも後押ししました。
10.【2000年】緑茶飲料が大ヒット
2000年、緑茶飲料が大ヒットし、日本茶市場は揺るぎない地位を築くようになりました。緑茶飲料は1999年に生産量が66万キロリットルだったのに対し、2000年は一気に100万キロリットルを突破したのです。
2004年には、緑茶飲料の生産量は236万5000キロリットルまで拡大しています。一気に伸びた理由として、外出時や職場での需要が増え、携帯用として欠かせないものになったことが背景にあります。
新しい市場を創り出したことで需要が急拡大していったのです。
1日に必要な水分量は「2.5リットル」
成人男性が通常の生活をしている場合、1日に必要な水分量は2.5リットルといわれています。0.9リットルを食品の水分と調理水、0.3リットルは体内で作られ、残りの1.3リットルをさまざまな飲み物から摂取するとされています。
清涼飲料水は手軽に飲めるのが特徴で、水分補給に便利な商品です。清涼飲料水の利便性を活かし、定期的に水分補給をしましょう。
汗をかいたら塩分も補給することが大切
汗をかいた場合、水分だけでなく塩分も補給することが欠かせません。水分と一緒に塩分が失われると、水の補給だけでは体液中の塩分濃度が下がってしまいます。
その状態で水を摂取しても吸収されることはなく、水分を排出してしまうのです。水分と塩分を同時に補給するには、塩分を含んだスポーツドリンクを飲むのがおすすめです。
スポーツドリンクは糖分と塩分を含んでいるため、効率よくエネルギーを補給できるでしょう。汗をかいた際は、水分だけでなく塩分もとることを心掛けましょう。
熱中症になったらどう対処すればいい?
熱中症になった場合、熱中症のどの症状に分類されるかで対処方法が変わります。
- 「熱失神や熱疲労」であれば、涼しい場所に移動して水分を補給しましょう。
- 「熱けいれん」の場合、涼しい場所へ移動した後、スポーツドリンクや食塩水の補給をしましょう。
- 「熱射病」にかかった際は、体を冷やしつつ病院へ運ぶ必要があります。
清涼飲料水には「糖分」の記載がないので気を付けよう
清涼飲料水には、糖分の記載がありません。清涼飲料水では、「炭水化物」が糖分にあたります。
糖分が含まれているかどうかは、清涼飲料水のパッケージ裏面の栄養成分表示で確認できます。
炭水化物には糖質と食物繊維を合わせた数値が記載されており、炭水化物の記載があれば、糖分が含まれていることになります。
糖分の記載がないからといって、糖分が入っていないとは限りません。糖分の摂取量を気にしている人は、注意しておきましょう。
ライフスタイルに合わせて清涼飲料水を選ぼう!
この記事では、清涼飲料水の定義や歴史などを分かりやすく解説しました。
清涼飲料水の定義は「乳酸菌飲料、乳および乳製品を除く、アルコール分が1%未満の飲料」であり、アルコール類や乳製品を除いたほとんどの飲料は清涼飲料水です。清涼飲料水は気軽に補給できるのがメリットでもあります。
また、自宅にウォーターサーバーを導入することで、いつでもキンキンに冷えた水を飲めます。ミネラルウォーターを飲む方は、ウォーターサーバーの設置も検討してみましょう。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。